同志社大学 良心学研究センター

パンデミック時代における良心──世界観を更新するための学際的研究

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 この研究は同志社大学「新型コロナウイルス感染症に関する緊急研究課題」(2020年度)の一環として行われるものです。

【研究内容】

 人類とウイルスの関係の重要局面について人類史的な視点から考察し、ポスト・コロナの時代において、我々が持つことのできる新たな世界観を、良心学研究センターが培ってきた分野横断的な手法により、多面的に描き出すことを研究目的とする。合わせて、150周年を迎えようとしている同志社が、新たな時代において、どのような教育的イノベーションを提示し得るのかを考察しながら、人類史と同志社史が交差する地平とそこに立ち現れるビジョンを示すことを目的とする。

 良心学研究センターは、これまで「良心」(conscience)を共通のプラットフォームとして学際的な研究を行ってきた。conscienceの原義「共に知る」を学術レベルで実践することにより、各研究者が自らの専門領域から一歩踏み出して、「良心を覚醒させる知の連携と知の実践」を共に担ってきた。新型コロナウイルスは目下「見えない敵」と呼ばれることが多いが、ウイルスは生物進化の原動力にもなってきた。遺伝子は通常、親から子へ「垂直に」移動するが、ウイルス(レトロウイルス)は生物の個体間を「水平に」に遺伝子を移動させることができる。生物は感染したウイルスの遺伝子を自らの遺伝子に取り込むことで、突然変異を起こして遺伝情報を多様にし、進化を促進してきたと考えられる。本研究においては、今回のパンデミックを、既存の学問フレームを越えて知的営為を「水平に」移動させ、知の多様性創出を促すきっかけとしたい。その目的を遂行するために、以下の重点課題を設定し、研究会を実施し、その成果を随時公開する。

  1. ウイルスと人間(地球科学・進化生物学・脳科学を中心に):長期的な視点に立てば、ウイルスを厄介な「敵」として見るだけでは十分ではない。ウイルスとの「共生」の道を探るために、地球環境における生命進化の歴史、人類史におけるウイルスの役割、人間の認知構造に与えた影響などを考察する。
  2. 感染症に対する応答としての「物語」(文学・宗教学を中心に):感染症に対処する医学を持たなかった人類史の大部分において、人間がなし得ることは祈ることであり、物語(神話)を作ることであった。アルベール・カミュ『ペスト』をはじめ、いわゆるパンデミック文学は、感染症拡大によって人間心理や社会状況にどのような変化が生じるかを克明に描き出しており、現代に対しても新鮮な洞察を与えてくれる。生の不条理に対し、人間がどのように立ち向かってきたのかを文学や宗教の視点から考察する。
  3. 新しい日常のモデリング(経済学・経営学・社会福祉・法学・心理学を中心に):従来の経済的営みや働き方が根本的に変えられ、時に私権が制限される中、次のパンデミックが到来したとしても持続可能な社会システムを構築する必要がある。分断を煽る言説が広まる中、分断を越える良心の実践が求められる。
  4. 「共に知る」ことの実践としての教育:ポスト・コロナ時代においては、特定の時間・場所に学習者を拘束するという近代教育の枠組みが解体・流動化する可能性が高い。それを見据えた上で、対面で学ぶことの意義を再確認しつつ、同志社創立150周年の後、同志社が目指すべき21世紀型の教育モデルを提示する。

1.疫病文学とCOVID-19(文学部・下楠昌哉)

 [2020.07.13配信]

 

2.バーバル・ディスタンス(心理学部・武藤 崇)

 [2020.07.23配信]

 

3.Creating Shared Value(共通価値の創造)の実践(ビジネス研究科・山下貴子)

 [2020.08.06配信]

 

4.アヤソフィアのモスク化に見るトルコの歴史と現状(グローバル・スタディーズ研究科教授・内藤正典)

 [2020.08.12配信]

 

5.コロナ下で学ぶこと(脳科学研究科教授・貫名信行)

 [2020.08.21配信]

 

6.AIと良心とパンデミック(生命医科学部教授・廣安知之)

 [2020.09.07配信]

 

7.パンデミックに思う──天災は忘れた頃にやってくる(理工学部教授・林田 明)

 [2020.09.14配信]

 

8.パンデミックと経済学(経済学部教授・八木 匡)

 [2020.09.24配信]