中辻憲夫(京都大学 名誉教授)
小原克博(同志社大学 神学部 教授、良心学研究センター長)
櫻井芳雄(同志社大学大学院 脳科学研究科 教授)
廣安知之(同志社大学 生命医科学部 教授)
近年、生命科学の発展にはめざましいものがあり、とりわけ医療のあり方を大きく変える可能性のある再生医療に対しては、強い関心が向けられてきました。生命科学は、人間の生命やその萌芽となる受精卵などを研究や操作の対象とするだけに、それに関わる研究倫理には、歴史的教訓を踏まえた良心が求められます。本シンポジウムでは、胚性幹細胞(ES細胞)をはじめ、様々な細胞の発生分化制御機構の研究における権威であり、京都大学再生医科学研究所所長を務められた中辻憲夫氏を講師に招き、再生医療をめぐる課題を議論します。ES細胞研究は、米国ではかつて大統領選挙の争点とされたほどに、生命観・人間観に対し、大きな問いを投げかけることになりました。本シンポジウムにおいては、生命科学の現状だけでなく、それに関連する文化的・倫理的問題についても議論したいと考えています。